免疫力を高めるLPSの効果とは?

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LPS(リポポリサッカライド)とは?

LPS(Lipopolysaccharide)は「リポポリサッカライド」と読みますがなんのことかサッパリわからないですよね?

成分の名は、発見の経緯や構造から付けられることが多いのですが、正直この辺はそんなに気にしなくてもいいと思います。

注目を集め出したのは、「世界一受けたい授業」「みんなの家庭の医学」で放送されて以降でしょうが、TVの影響はやっぱりすごいですね。

一方で気になるのは『免疫ビタミン』と呼ばれていることで、LPSとはグラム陰性菌細胞壁外膜の構成成分であり、脂質及び多糖から構成されるリポ多糖です。

LPSは私自身も今後の活躍に期待している成分です。

体内では生成できない成分ですので、摂取したい場合は食品から摂る必要がありますが、ビタミンに分類されている訳ではありませんので、購入時には注意して下さい。

リポポリサッカライドは「リポ(脂質)」「ポリー(多い)」「サッカライド(糖類)」です。

LPSの効能とは?免疫にどう関係するの?

LPSには私たちの体内にあるマクロファージを活性化する作用があるとされています。

マクロファージとは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを駆除する白血球で、細胞の残骸やがん細胞の処理にも役立つ白血球です。

マクロファージは全身のすべての組織・臓器に存在している免疫細胞の1つで、自らが行動するだけでなく、他の免疫細胞に指示を出す働きも担っています。

LPSに期待される効用は?

LPSは免疫機能の低下によって引き起こされる様々な病気の予防に役立ちます。

上記でも記載されているとおり、LPSは免疫力を高めることによって、直接的ではありませんが、間接的に下記の効果に期待されています。

一方で「指先から体の中心に向かって手でこする?」免疫力を高めるLPS体操というものがありますが、「L・P・S」を言う部分以外は、血流やリンパの流れをよくする動きと一緒ですよね?・・・という点が少し気になります。

風邪・インフルエンザの予防

風邪やインフルエンザなどの感染症はウイルスが体内に侵入することが原因ですが、防衛システムである免疫機能の1種マクロファージが活発に働いていれば、体に悪影響を与えるウイルスや細菌を食べて駆除してくれますので発症前に予防したり、感染しても比較的早い回復が見込まれます。

子供がかかりやすい『マイコプラズマ肺炎』は近年増加し続けている病気ですが、これも感染症の1種ですので、免疫力が高まればそれだけでも予防に活躍してくれるでしょう。

ガンの予防

ガン細胞は健康な方でも1日5000個出来ていると言われているのはご存じでしょうか?

この5000個のガン細胞を発見し毎日闘っているのが「免疫細胞」で、免疫細胞による監視をかいくぐって生き残ったガン細胞が塊としての「がん」になってしまうのです。

この最前線で闘っている免疫細胞が「マクロファージ」や「NK細胞」ですので、働きが活性化するこで、発症リスクの軽減に役立つのです。

花粉症・アトピーなどアレルギー疾患の緩和

花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患は、現代社会において急増している病気ですが、その原因は免疫反応の誤作動であり、誤作動の原因には免疫力の低下が大きく関係しています。

免疫力が高まることは、免疫システムの誤作動を防ぐことにも繋がります。

また、アレルゲンと結合する「IgE抗体」が多いほどアレルギー反応を起こしやすい身体になってしまうことが知られていますが、このIgE抗体の減少にもLPSが役立ちます。

免疫細胞「ヘルパーT細胞」は、マクロファージの作用によって感染に働く「TH1」とアレルゲン・アレルギーに働く「TH2」に分化され、バランスをとりながら免疫をコントロールしていますので、TH1が増えるとアレルギーが起きにくい身体になると言われています。

LPSは体に無害な細菌でありながら、有害な細菌の表皮成分と同じ性質を持っているので、Th1を増加させてTH2を減少させる役割を担ってくれます。

アルツハイマーの予防

認知症のうち、実に約60%をアルツハイマー型が占めており、その原因には不溶性たんぱく質「アミロイドβ」が大きく関係しているとされています。

LPSを摂取することで、免疫細胞が活性化しアミロイドβの除去を促進すると言われており、アルツハイマー病の予防にも効果が期待されています。

LPSを多く含む食品とは?

LPSを多く含む食材は、身近にある穀物・野菜にも含まれており、特に多く含む食品としてレンコン、メカブ、玄米などが知られています。

レンコン

LPSは土にいる微生物なので、土で育つ根菜に多く含まれています。
レンコンでは特に皮の部分や節の部分に多く含まれていますので、料理法やレシピを工夫すると摂取する機会が増えそうですね。

メカブ

海藻類は農薬や肥料を使うことが出来ないので、自然な状態のLPSが含まれています。
海苔やワカメにも含まれていますが、メカブには豊富に含まれています。

また、海藻にはヌメリ成分である「フコイダン」も含まれていますので、LPSとの相乗効果にも期待出来そうですね。

玄米

玄米のヌカにもLPSが豊富に含まれていますが、「硬くパサパサ」した感じで継続的には摂取し難いですよね。ですが、精製された白米では殆ど残ってないのです。

LPSを摂取しやすい穀物として「金芽米」が知られていますが、精米との違いは加工方法にあるようです。

免疫力を高める成分

今回紹介したLPS以外にも免疫力の向上に役立つ成分はあります。

下記に代表的な成分を紹介しますが、免疫力を高めるには基本となる「バランスの良い食事」「適度な運動」「十分な睡眠」が欠かせませんので、まずは生活習慣が大切ということを心がけて下さい。

フコイダン

メカブや昆布、ワカメやモズクなどの海藻のヌメリ成分に多く含まれる多糖類の1種フコイダンは、免疫機能において重要な役割を担う「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」や「マクロファージ」といった免疫細胞を活性化させる働きがあります。

また、フコイダンが持つアポトーシス作用(細胞が自然に消滅する現象)は、突然変異でアポトーシス機能をもたないガン細胞に誘いかけ、アポトーシスへと導くと働きがあると考えられており、抗ガン食品の中でもでひと際異彩を放っています。

フコイダンの記事はこちら

ミドリムシ

藻の1種「ミドリムシ」はブロッコリーにわずかにしか含まれない希少な成分で、β-グルカンの1種である特殊な天然物質「パラミロン」をはじめ、全59種類の栄養素が含まれています。

ミドリムシは免疫細胞を活性化させますが、中でも白血球の20%を占める「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」と「好中球」を特に活性化させると言われています。

ミドリムシの記事はこちら

プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)

プロバイオティクスは、人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)の総称でよく知られている乳酸菌やビフィズス菌もプロバイオティクスに分類されます。

免疫細胞の約6~7割は私たちの「腸」に存在していて、免疫細胞が活発に活動できるかどうかは、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が大きく関係していて、腸内環境を整えることで、免疫細胞が強くなり、免疫力を高めることに繋がります。

プロバイオティクスの記事はこちら

コエンザイムQ10

アンチエイジング成分としてよく知られているコエンザイムQ10ですが、実は免疫力を高める効果もあり、中でもマクロファージの活動を活性化させることが知られています。

また、コエンザイムQ10は細胞の活動に不可欠なエネルギー産生に深く関わっていますが、ウイルスや細菌と闘う免疫細胞もその1つで、免疫細胞が機能を発揮する上で欠かせません。

コエンザイムQ10の記事はこちら

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