マグネシウムは私たちの体内で300種類以上の酵素反応に対して補酵素として働いていおり、ほとんどの反応に必要となるため、その重要性から『ミネラルの王様』とも呼ばれています。
マグネシウムの効果とは?
●骨や歯の形成、筋肉の収縮への働き
これらはカルシウムの働きと思われがちですが、カルシウムとマグネシウムは協力しながら働いていますので、カルシウムのみでは十分な働きが出来ません。
「こむら返り」がよく起こる方ははマグネシウムが不足している可能性があります。
●偏頭痛の緩和や改善効果
マグネシウムには、「血小板の凝集」や「血管の収縮」を抑える働きがあります。
また、カルシウムが脳まで運ばれずに細胞の中に溜まると、血管が緊張して偏頭痛が起こりやすくなってしまいすが、マグネシウムにはそれを防ぐ働きもありますので、偏頭痛の緩和や改善に効果的と言われています。
●ダイエットサポート
マグネシウムは糖質の代謝に大切な成分であり、また、体内の水分を腸に集める働きによって、腸に残っている便を体外に排出されやすくしてくれます。
※酸化マグネシウムとして、非刺激性便秘薬に用いられています。
●PMS(月経前症候群)の緩和
神経の興奮を抑え、神経伝達を正常に保つ働きを持つマグネシウムは、精神安定効果にも期待されています。そのため、PMSのうつ様症状やむくみ、神経過敏、生理痛の緩和に有効です。
●生活習慣病を予防
マグネシウムには、血圧を下げる働きや、中性脂肪・血糖を下げる働きもありますので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立ちます。
また、疲労を回復させる働きや、抗ストレスホルモンを作り出す副腎皮質の機能を助ける働きもありますので、健全な日常を保つために重要尾です。
マグネシウムの多い食品
マグネシウムが多く含まれる食品としては海藻類が知られていますが、加工品は塩分を多く含む場合がありますので、乾物を戻してから効率よく食事に混ぜてはいかがでしょうか。
下記にマグネシウムの多い食品を紹介していますのでご参照下さい。
●海藻類100gあたりのマグネシウム量
あおさ(乾物):3,200mg、あおのり(乾物):1,300mg、わかめ(素干し):1,100mg、ひじき(乾物):620mg、こんぶ(乾物):540mg、カットわかめ(乾物):410mg
●魚介類100gあたりのマグネシウム量
干しえび:520mg、煮干し:230mg、たたみいわし:190mg
●豆類100gあたりのマグネシウム量
きな粉:240mg、大豆(乾物):220 mg、油揚げ:130mg
●木の実類100gあたりのマグネシウム量
ごま:360mg、アーモンド:270mg、松の実:250mg
●きのこ類100gあたりのマグネシウム量
きくらげ(乾物):210mg、干ししいたけ(乾物):110mg、えのきたけ:15mg
マグネシウム不足が起こす症状とは?
マグネシウムの不足は、摂取不足・吸収不良・排泄増大により起こりますが、現代においては「摂取不足」が最も有力ではないでしょうか。
不足によって起こる代表的な症状としては、骨の形成に影響が出て「骨密度」や「骨の強度」が下がり、骨粗鬆症の原因になることではないでしょうか。
しかし、マグネシウム不足による影響はこれだけではありません。
体内の300種類の酵素の働きを支え、エネルギー代謝などに密接に関わっているため、不足は「疲れやすくなる」「集中力が続かない」「精神疾患」「食欲不振」などにも繋がります。
また、不足によって『不整脈』『心疾患』『神経疾患』『筋肉収縮異常』などが起こることが知られています。
なぜマグネシウムが不足するのか?
1つ目は「食生活の変化」です。
もともと私たち日本人は、穀物類を多く食べていたのですが、近年では白米などの精製食品が増え、精製の過程でマグネシウムなどのミネラルが減少してしまっているのです。
さらに、和食にはマグネシウムを含む食品が多く使用されてるのですが、食生活がレトルト食品や加工食品など栄養の少ないもの中心に変化してるのも大きく関係しています。
2つ目は「カルシウムの過剰摂取」です。
骨の健康を保つためカルシウムを積極的に摂っている方が多いと思いますが、カルシウムはマグネシウムとバランスを保って健康効果を発揮します。
血液中のカルシウムが不足すると骨からカルシウムを取り出すという調整をマグネシウムがしています。ですので、カルシウムの大量摂取によってマグネシウムが不足してしまうと、この調節がされずに骨からカルシウムが溶け出してしまい、その結果、逆に骨を弱めてしまう可能性もあります。
マグネシウムは非常に安全性が高い
現在のところ、一般の食材からの摂取によって、マグネシウムが過剰となり健康障害を起こしたという報告はありません 。
マグネシウムは過剰に摂取しても、腸管からの吸収が抑制され、速やかに軟便・下痢を起こして排泄されます。また、過剰に吸収されたマグネシウムは速やかに尿中に排泄されるため、軟便、下痢以外の過剰症が起こることは稀だとされています。
マグネシウムは吸収率の低い成分ですので、食事からの摂取が難しい場合はサプリメントを利用して積極的に摂りましょう。
日本人の食事摂取基準2015においては、マグネシウムは耐性上限量の定めがない成分ですが、サプリメントなどで摂取する場合には「成人の場合350mg/日」が耐容上限量となります。