乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、腸内環境を整え腸内フローラのバランスを整える効果を持つことが知られていますが、他にも効能が期待されており、特に花粉症などのアレルギーに対する研究が進んでいます。
花粉症の改善する乳酸菌・ビフィズス菌の効果とは?
花粉症は、特定の時期に発症するアレルギー疾患ですが、日本人の約25%が花粉症だともいわれており、疾患者数は年々増加しています。
鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)も発症する辛くて苦しい花粉症の症状の改善に乳酸菌・ビフィズス菌が期待されています。
乳酸菌やビフィズス菌には、花粉症を起こす原因となる「IgE抗体」が作られるのを抑える働きがありますので、花粉症の緩和効果に期待されています。
さらに、花粉症を招いてしまう『免疫システムの誤作動』には、免疫力の低下が大きく関係していると考えられていますが、最も重要で最も大きな免疫器官のある腸内環境を整える作用もありますので、花粉症対策に有効だとされています。
花粉症のメカニズム
花粉症がアレルギー反応の1つであることはご存じだと思いますが、実はこの「アレルギー」というのは、意外なことに健康な体を保持する「免疫」と体内でのしくみは同じなのです。
私たちの身体は、体内にウイルスなどの異物が侵入したとき、その異物を『敵』とみなし、その敵を攻撃するための物質「抗体」を作る免疫システムが備わっています。
①ところが、この免疫システムが何らかの原因で誤作動すると、無害である花粉を「有害」と認識して攻撃するために、『IgE抗体』という抗体を作ります。
②そして、IgE抗体は花粉を迎撃するために、花粉が入りやすい場所である目や鼻に移動して、粘膜にある「脂肪細胞」という場所に付着し、次に花粉を待ち構えます。
③その後、花粉が体内に入ってくると、脂肪細胞に付着していたIgE抗体がヒスタミンなどの分泌を促し、花粉を体外に放り出そうとします。
花粉症対策の乳酸菌・ビフィズス菌
数ある乳酸菌・ビフィズス菌の中でも、花粉症の改善に効果が期待できるとして注目されるものに以下のようなものがあります。
LG21乳酸菌、1073R-1乳酸菌、BE80菌、ラブレ菌、フェカリス菌、L-92乳酸菌、KW乳酸菌、乳酸菌L-137、ビフィズス菌bb536
アトピー性皮膚炎の緩和にも期待
アトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患は、花粉症と同様に私たちの体に備わる免疫機能が誤作動を起こしたときに起こる症状で、「IgE抗体」が過剰に作られることで、アレルギー反応を引き起こします。
アトピーの方には、腸壁のバリア機能が脆くなっている傾向が見られ、その部分からアレルゲンが侵入しやすくなります。
乳酸菌やビフィズス菌には「IgE抗体」の生成を抑制したり、腸壁を修復する働きによってアレルゲンの侵入を抑える働きによって、アトピー性皮膚炎の緩和にも期待されています。