ビタミンPとは?
ビタミンPって何となく聞いたことがあるのではないでしょうか?
ビタミンPとは1つの成分を指しているのではなく総称なので、ポリフェノールのフラボノイド類に分類される色素です。
別名で「フラボノイド化合物」や「ビタミン様物質」とも呼ばれ、自然界ではビタミンCのそばには必ずビタミンPが存在していることから、よくビタミンCサプリメントに『バイオフラボノイド』として配合されています。
ビタミンに近い働きを持ちながらも、生命活動に欠かせない必須ではないためビタミンPは『ビタミン様物質』とも呼ばれています。
ビタミンPの効果や効能って?
ビタミンPの最大の働きは、自然界において共に存在するビタミンCのサポートです。
優れた効果を持つビタミンCですが、”熱”や”空気”に弱いという点があります。
ですが、ビタミンPと同時に摂取することでビタミンCを安定させるだけでなく、その働きを高め、持続させる働きに期待されています。
また、それ以外にも私たちの健康を支える効果があります。
毛細血管を丈夫に保つ!
ビタミンPには体内で最も細い毛細血管を健全に維持する働きがあります。
「お蕎麦は毛細血管を丈夫にする」という話をご存じの方も多いのでは?
これはソバに含まれるルチンというビタミンPの働きによるものです。
毛細血管は栄養や酸素などを体の隅々まで行き渡らせる重要な役割を担っていますので、その毛細血管を丈夫に保つビタミンPは美容のためにも健康のためにも効果が期待されています。
また、手や足先の末梢血管の血流の改善を促し、体温の上昇を促す作用がありますので、これからの季節に多く起こる「冷え性」対策にも有効です。
まだあるビタミンPの効能!
ビタミンCをサポートするビタミンPですが、ビタミンP自体にも抗酸化作用が備わっていますので、単体であっても活性酸素の害から身体を守ってくれますし、ビタミンCと同時に摂取すればより一層効果的になります。
また、ビタミンPにはLDLコレステロールや中性脂肪を下げる働きにも期待されていますので、生活習慣病の予防や血流の改善に効果が期待されています。
代表的なビタミンPの種類は?
みかんやレモンなどの柑橘系の果物に含まれる「ヘスペリジン」、蕎麦に含まれる「ルチン」、玉ねぎに含まれる「ケルセチン」などが代表的なビタミンPです。
ヘスペリジン
ヘスペリジンは柑橘類の皮やすじに多く含まれているに多く含まれている成分です。
柑橘類の食べ物としては、みかん・レモン・オレンジ・グレープフルーツ・ゆず(柚子)などがよく食されていますが、デコポン・いよかん(伊予柑)・はっさく(八朔)・すだち(酢橘)・ライムなども柑橘類の仲間です。
ヘスペリジンはビタミンPの代表的な効果に加え、アレルギーによる炎症を抑える働きがありますので、増加し続ける花粉症の予防にも期待されています。
古くからみかんの皮を乾燥させたものを陳皮(ちんぴ)として漢方に用いられていますが、これもヘスペリジンの恩恵なのでしょう。
ルチン
蕎麦に含まれていることで知られている「ルチン」もビタミンPの1種です。
古くから日本人の食文化を支えてきた「ソバ」は、いまでも蕎麦として愛され続けていており、また縁起物としてもよく用いられています。
ルチンは紫外線の害から身を守るための色素ですので、殻に近い部分の方が多く含まれていますので、一番粉、二番粉、三番粉の中では『三番粉』に豊富に含まれていることになります。
他の食品ではイチジクやアスパラガス・トマトなどに含まれています。
そば粉は小麦粉に比べてビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食品ですが、アレルゲンとなる場合がありますのでお子様がはじめて食する場合には慎重になりましょう。
ケルセチン
玉ねぎの黄色色素として知られているポリフェノールのケルセチンもビタミンPの1種で、特に皮の部分に多く含まれます。
ケルセチンを含む食品としては他にもアスパラガスや絹さやえんどう、ブロッコリー・リンゴ・蕎麦などに含まれていますが、最も豊富な食べ物は「玉ねぎ」です。
ケルセチンにルチノースという糖が結合したものが蕎麦に含まれる「ルチン」になります。
玉ねぎはよく食されている野菜ですが、ケルセチンを豊富に含む外皮をそのまま食べるのはなかなか困難ですので、効率的に摂取するには玉ねぎの皮を利用したスープやお茶・サプリメントなどを利用するとよいでしょう。
ケルセチンという名前はラテン語のブナ科コナラ属に分類される落葉樹「Quercus(オーク)」が由来とされているようです。