ビタミンCの働きや役割
ビタミンCの効果・効能は、単に不足による欠乏症を防ぐという働き以外に、十ニ分に摂取した際に、生化学的・生理学的・薬理学的な多様な働きをすることが判明しています。
ビタミンCのイメージとしては「なんとなく美容や健康に良い」と思われている方が多いのですが、実はストレスケアやダイエットにも役立つ栄養素なんです。
ビタミンとは?
そもそもビタミンとは、体の働きを助け、調子を整える為に欠かすことの出来ない微量栄養素で、よく機械の潤滑油に例えられています。
この例えを私たちに当てはめると、「体は機械」「機械を動かすエネルギーが三大栄養素であるタンパク質・糖質・脂質」そして「潤滑油がビタミン」といった感じになります。
どんなに優れた機械でも、潤滑油が足りないと能力を十分に発揮出来ませんよね?
同じように、ビタミンが不足すると私たちの体は十分な働きができず、その結果、欠乏症として様々な不調を引き起こしてしまうのです。
ビタミンCの不思議な立場
ビタミンは『水溶性ビタミン(9種)』と『脂溶性ビタミン(4種)』に区分されます。
この区分だけなら、なんら疑問もなかったのですが、ビタミンCが含まれる水溶性ビタミンの残り8種類は「ビタミンB群」として知られています。
あれ?あれれ?と私の興味はどんどんビタミンCに向かっていきました。
いまだ自分の疑問に対して、満足のいく回答が見つかった訳ではないのですが、他の水溶性ビタミンと比べて、ビタミンCは大きく異なるのでは?という疑問は深まるばかりです。
ビタミンの必要量は極わずかで、1日の推奨量はmg(ミリグラム)単位、またはその1000分の1のμg(マイクログラム)単位で表される為、微量栄養素と呼ばれています。
ビタミンB1やビタミンB2の推奨量/1日が1mg余なのに対して、ビタミンCの推奨量/1日は約100倍の100mgであり、薬理学的な効果を期待するときは、1,000mg=『1g』以上というグラム単位の量になります。
このことからも、ビタミンCは他のビタミン類とは違いが判ります。
ビタミンCの多彩な作用
ビタミンCの代表的な働きとして「抗酸化作用(還元作用)」があります。
「コラーゲンの生成」や「免疫力の向上」「シミの予防や除去」などもよく知られています。
ですが、ビタミンCが担っている役割はこれらだけではありません。
現代のストレス社会の中でストレスのケアは非常に重要で、ここにもビタミンCが効きます。
ストレスに対抗する為の「副腎脂質ホルモンの生成」にはビタミンCが多量に使用されますので、”ストレスを受けると体内のビタミンCが減少する”と言われるのです。
また、女性の貧血で最も多い「鉄欠乏性貧血」にもビタミンCは活躍します。
これはビタミンCを摂ることで鉄分の腸管での吸収が促進されるからです。
また、アレルギー反応の要因であるヒスタミンの抑制、有害金属のデドックス作用、アルコールの分解・肝臓の解毒作用にも関与しています。
さらに、ビタミンCには下記のような働きにもあります。
●カルシウムの吸収と代謝に関与
●アミノ酸の代謝に関与
●糖の代謝に関与
●体内のカルニチンを増加
●抗炎症作用
●利尿作用
●ウイルスを不活化
●抗菌作用、毒素の中和
ビタミンCが不足しやすい方とは?
【タバコを吸う方】
体内のビタミンCが減少する要因として最も知られているのが喫煙です。
たった1本のタバコで25mg~100mgものビタミンCが失われ、副流煙でも消費されます。
【アルコールを多飲する方】
アルコールを多量に摂取すると、その分解を助けるビタミンCの消費も早くなります。
ビタミンCの不足は、アセトアルデヒドの分解が遅れ、二日酔いの原因となってしまいます。
【ストレスの多い方】
ストレスを受けると、それに対抗するために副腎から抗ストレスホルモンが分泌されますが、その際にビタミンCが大量に使用されます。
【運動や肉体労働を日常的に行っている方】
エネルギーを大量に消費すると同時にビタミンCの消耗も激しくなります。
習慣的に運動する方や、仕事で身体を使う方は積極的に摂取しましょう。
【ダイエットを心掛けている方】
脂質の代謝に重要な「カルニチン」は一躍ダイエットサポート成分として注目されましたが、体内においてカルニチンはリシン(アミノ酸の1種)とビタミンCから合成されますので、ダイエットにもビタミンCが間接的に活躍しているのです。
こんな症状にもビタミンCが必要!
医薬品として活躍しているビタミンCは、主に「シミ」「そばかす」などの肌トラブルに用いられますが、他にも医師が処方箋で、治療の一環として使用することもあります。
それは「歯ぐきからの出血」です。
歯茎からの出血を起こす原因として、殆どの場合が歯周病だと言われていますが、ビタミンCを摂取することで「コラーゲンの生成を促進」して、健康な歯茎を維持し、歯周病の予防に高い効果を発揮しています。
13種類あるビタミンはどれも欠かすことができない成分ですが、中でも最も働きが多いのもがビタミンCではないかと思われます。