ギムネマとは?
ギムネマとは、正しくは「ギムネマ・シルベスタ」というインド原産の植物で、糖尿病やメタボ・肥満の解消に期待されているハーブです。
昔から”甘みを消す”不思議な植物として知られており、ギムネマの葉を噛むと、甘いはずの砂糖を食べても甘みは無く、まるで砂を口に入れたみたいな感覚になります。
通常では必要のない働きですが、糖尿病やメタボ・肥満に苦しんでいる方にとっては、便利な「糖分摂取抑制」作用となります。
ギムネマが持つ二大作用
ギムネマの有効成分はギムネマ酸と呼ばれる成分によるものです。
甘味抑制作用
ギムネマ酸の化学構造は、トリテルペンという骨格にグルクロン酸という糖が1個付いた形となっており、このグルクロン酸の配糖体は、ヒトの舌にある味覚を感じる味蕾の一部分(甘みを感じる部位)に結合し、麻痺させる性質を持っています。
そのため、ギムネマを摂った後に、砂糖の甘みがきても、先にギムネマ酸が結合して”占拠している”ために味細胞に受け入れてもらえず、甘味を感じ難くなるのです。
ギムネマ酸が抑制するには甘みのみで、その他の酸味・苦味・塩味などの味覚を抑制することはありません。
このようにギムネマを摂ると、30分~1時間くらいは甘味を感じ難くなりますので、甘いものを食べても”美味しく感じなく”なり、自然と甘いものから遠ざかるようになります。
血糖値降下作用
一般的に、炭水化物は体内に摂取され消化されるとぶどう糖(グルコース)となって小腸などから吸収されます。
ぶどう糖の吸収のされ方には2通りあり、タンパク質と結合して吸収される『能動的』なものと、それを伴わない『受動的』なものです。
ギムネマ酸の性質に血糖値を下げる作用がありますが、これはギムネマ酸が能動的なブドウ糖の吸収を阻害する働きを持つためです。
具体的には、ぶどう糖が小腸の上皮細胞から血管に入るのを妨害し、約半分のぶどう糖が吸収されないまま腸内細菌によって分解されると言われています。
つまり、それだけ血糖値が上がらずにすむということになります。
この働きからギムネマは糖尿病の予防や改善に期待されています。
高まった血糖値を下げるのではなく、そもそもの値を上げないというのが特徴ですね。
副作用や安全性について
現在のところ重篤な副作用は報告されていませんが、摂取量等に定めもありませんので、妊娠中や授乳中などデリケートな方は摂取に注意して下さい。
ギムネマを摂る場合は、サプリメント又はハーブティーの形状になりますが、大量に摂ればいいというものでもありませんので、摂り過ぎには注意しましょう。
糖尿病とは?怖い合併症がいっぱい
そもそも糖尿病とは、腎臓を経て尿の中に糖が出過ぎる病気です。
細胞が活発に働くためにはブドウ糖(グルコース)が必要なのですが、肝心のブドウ糖が筋肉や肝臓で利用されないまま、”垂れ流し”状態になっているのです。
原因はホルモンの代謝異常に起因さており、膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインシュリンホルモンが不足するために、グルコースが上手く活用できなくなるのです。
糖尿病はそれ自体が非常にやっかいな生活習慣病ですが、それにも増して怖いことが多くの合併症を招いてしまうことです。
よく知られている合併症に下記のものがあります。
・糖尿病性網膜症:治療が困難で最悪の場合失明に至ります。
・糖尿病性腎症: 尿毒症になると人工透析が欠かせなくなります。
・糖尿病性神経障害: 両足の裏のしびれから、酷くなると殆ど痛みを感じなくなります。