アロエとは?よく効く薬草の秘密!

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アロエとは?

アロエとは、ユリ科の植物で多肉の常緑多年草で、原産地はアフリカやアラビアの熱帯地方であり、昔から”医者いらず”と呼ばれ親しまれてきた薬草の1つです。

今ではアロエという名は聞きなれたものになりましたが、日本にアロエが伝えられたのは鎌倉時代と言われており、江戸時代には『養生訓』で有名な貝原益軒(本草学者)がアロエを「その味苦く、臭くして、気味ともにはなはだ苦きゆえ、虫を殺す」と言っています。
虫とは「病気のもと」の意味とされており、当時アロエは珍重されていました。

その後は、観賞用、食用などとして多くの種類が日本の各地で栽培されるようになりました。

現在、アロエの種類は約600種ともいわれており、中でも親しまれているのが「キダチアロエ」と「アロエベラ」だと思われます。

アロエの特徴として知られているのが”苦味”ですが、アロエとはアラビア語で「苦い」という意味であり、その特徴に由来しています。

アロエが持つ効用の秘密とは?

アロエには約30種類もの成分が含まれており、中でも以前から知られているのが「アロイン(バルバロイン)」と「アロエエモジン」で、日本漢局方ではこれらの成分に下剤・健胃剤・通経剤(通経のための薬)の作用があると記されています。また現在では、アロエチン、アロミチン、アロエウルシン、アロエニンなどの有効成分が解明されています。

アロイン

アロエの主成分でバルバロインとも呼ばれていますが、正確にはアロインを精製した純品がバルバロインになり、ほとんどの種類のアロエに含まれています。

アロエの葉を折ると、緑の皮の部分から黄色の液体が出てきますが、この液に含まれている苦みの強い成分がアロインで、健胃剤(胃酸の分泌を増やし働きを活発にする)、緩下剤(腸の運動を活発にする)などの効果や利尿作用もあります。

アロエエモジン

バルバロインが酸化したもので、抗潰瘍作用が知られています。
抗潰瘍作用とは、傷などで欠損した組織を元に戻し、治癒する働きのことです。

アロエチン、アロミチン、アロエウルシン

アロエチンには細菌やウイルスを殺す殺菌作用と病原菌が出す毒素を中和する働きがあり、アロミチンには抗腫瘍作用があり、ガンに効くとされています。

アロエウルシンは、最近では乳酸マグネシウムともいわれ、胃や十二指腸潰瘍で傷ついた粘膜の細胞に働きかけ、修復を促して潰瘍の治りを早めます。

多糖体

アロエのヌルヌルは多糖体といわれるもので、アロエの葉のゼリー部分に存在しています。
水に溶けやすいゲルの状態で、傷口での細菌の感染を防止し、炎症を抑えて、皮膚の修復を高めます。乾燥や肌荒れを防ぐ保湿作用もこの多糖体の働きによるものです。

キダチアロエとアロエベラの違いについて

一昔前の日本でのアロエといえばキダチアロエのことと考えられていましたが、ここ最近ではアロエベラが日本にも入ってくるようになりもう1つのアロエとして広まっています。

<キダチアロエ>
日本で古くから用いられてきたアロエで、日本の気候風土に合い、家庭でも栽培しやすいことから、民間療法として内用(飲む、食べる)、外用(貼る・塗る)に使われています。

日本で最も多く栽培されている品種であり、いまでは主に観賞用に栽培されています。

<アロエベラ>
アロエベラの学名は「アロエ・バルバデンシス」といい、ラテン語で”真実のアロエ”という意味を持ちます。一部では優れた薬効から名付けられたとも言われています。

アロエベラはキダチアロエに比べると巨大とも言える大きなもので、たっぷりのゼリー質を含んでいるため、ジュースやヨーグルトなどに用いられています。

成分に大きな違いはない?

キダチアロエとアロエベラは、含有量や質の違いが少しある程度で、含んでいる成分に大きな差はなく、例えば、アロエチン・アロエニンの2種はキダチアロエに特有の成分であり、逆にサポニンはアロエベラにのみ含まれていますが、あとは殆ど同じです。

ただしゼリー質の部分はアロエベラの方が断然多いので、健康増進や体質改善、免疫機能の強化などについては、アロエベラの方が有効だとも考えられています。

アロエの効果・効能

抗炎症作用・抗潰瘍作用

アロエには炎症を抑えるとともに血液の循環を良くする作用が知られていますが、これはアロエのゼリー質に含まれる酵素(糖タンパク質)が、炎症を起こすブラディキニン(ブラジキニン)という物質を分解することによって熱や痛みが抑えられると考えられています。

また細胞を増殖させ、細胞の欠損部を内から盛り上げて修復しますので、跡も残らず回復が早いとされていますが、これはアロエウルシンやアロミチンによる抗潰瘍作用によるものです。

抗ヒスタミン作用・殺菌作用

アロエに含まれるアロエウルシンにはヒスタミンの分泌を抑える働きを持ち、多糖体には保湿作用がありますので、皮膚のかゆみを止めたり、掻いて起こした炎症や傷の修復にも有効だと言われています。

また、アロエの強力な殺菌作用は、皮膚の炎症・化膿などを引き起こすぶどう球菌や連鎖球菌を殺菌し、これらが出す毒素を中和する作用もあり、皮膚の炎症を防ぎます。

胃腸の潰瘍のケア・便秘の改善

ストレス社会の現代において、最もダメージを受けやすい臓器が胃腸とも言われており、胃や十二指腸の潰瘍は、酷い時には穴が空いたり、激痛に襲われたり、吐血することもあります。

アロエに含まれるアロインとアロエニンは胃酸の分泌を調整し、アルエウルシンが傷付いた粘膜を修復し、多糖体が胃の粘膜にできた潰瘍の表面を覆い外からの刺激を防ぎますので、ストレス対策に有効だとされています。

また、アロエは昔から緩下剤として効用が認められており、頑固な下痢にも有効です。

肝機能の増進・血圧の正常化

肝臓は臓器の中でも、もっとも重要なものの1つで、胆汁の生成、栄養素の代謝と貯蔵、毒物の分解などともて重要な働きを担っています。
アロエが肝臓に良いのは、多糖類が持つ解毒作用が弱った肝臓の働きを助けて機能を高めるだけでなく、血液循環を良くすることで、肝臓への血液の流れもよくなるためです。

アロエの血圧降下作用はいくつもの実験データがありますが、これは末梢血管を拡張して血液循環をよくし血圧を降下させる「プロスタグランジンE2」の生合成を促進するためです。

シミやソバカスの予防・乾燥肌のケア

アロエに含まれるアロエシンとその関連物質には、抗チロシナーゼ作用がありますので、シミやソバカスの予防に役立ちます。

また、アロエに多く含まれる多糖類には、水分や皮脂の分泌を適度に保つ保湿効果を持ちますので、肌のしっとり感を保ち乾燥肌のケアに役立ちます。

肘・膝・踵などに用いれば、硬化した角質やガサつきの解消し、肌の保護にも役立ちます。

活性酸素の抑制・ダイエットサポート

アロエベラ特有の成分であるサポニンには、強力な抗酸化作用を持っていますので、老化を促しさまざまな病気の要因となる活性酸素を抑制に役立ちます。

またサポニンには、脂肪の吸収を抑制し蓄積を抑えることによって肥満を予防する働きがありますので、ダイエットへの効果も期待されています。

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