「第三のフコイダン」はメカブ由来
昆布にはじまり、同じ褐藻類である沖縄モズク由来のフコイダン、そしてようやく3つめのメカブ由来となりました。
メカブは「ワカメ」の根もと部分のことですので、大きくはワカメ由来とも言えますが、正確には「メカブ(芽株)のフコイダン」という表現になります。
これまでも、フコイダンの抗ガン作用には大きな期待がかけられており、また、免疫力の活性化作用、コレステロール低下作用、抗アレルギー作用、アポトーシス効果などの効能に期待されてきましたが、メカブフコイダンは従来のコンブやモズクのフコイダンに優るとも劣らない効用を秘めているのではと注目を集めています。
メカブフコイダンの特徴とは?
メカブとはワカメの胞子葉、つまり生殖器にあたるところで、ここから胞子が出て受精し繁殖する仕組みになっていています。このメカブにはフコイダンとフコステロールが含まれて、メカブのぬるぬるしたヌメリ成分がフコイダンです。
フコイダンはワカメの葉の部分には殆ど含まれていませんので、体に摂り入れようとすればメカブに頼らざるを得ないということになります。
メカブフコイダンの抗ガン作用
私たちの身体には「免疫」というシステムが備わっていて、細菌やウイルス、有害物質などの外敵から身を守るために機能しており、コンブ由来のフコイダンなどと同様に、免疫力を高める作用に優れています。
免疫システムではNK細胞やB細胞といった免疫細胞が重要な役割を担っていますが、メコブフコイダンはNK細胞の攻撃活性を高め、B細胞の増殖効果を持つことが知られています。
また、マウスを使った動物実験では、結腸ガンのマウスに毎日メコブフコイダンを投与したところ、無投与のマウスに比べて、腫瘍の進行が抑制され、腫瘍体積もはるかに小さくなったとの報告があります。
メカブと昆布のダブルパワー実験
フコイダン効果の先駆けとなったのはコンブ由来のもので、その有効性はさまざまな形で報告されています。
実は「メカブ+コンブ」フコイダンと組み合わせるという、興味深い実験データがあります。
こちらもマウスの実験ですが、腫瘍の重さや体積がコントロール群(対照群)に比べてコンブ・メカブフコイダン群が減ったのはもちろんですが、「メカブ+コンブ」フコイダン群はさらに減っており、効果のほどが伺えたというデータがあります。
海藻と海草の違いとは?
海藻の種類は多く、世界的に見るとその数は数千種とも言われており、日本近海で生息する数は約半分、さらに食用とされているものは70種類ほどです。
一方、同じ「カイソウ」でも、”海草”と呼ばれる植物があります。
これは陸上の植物と同じように、根をもち、花を付け、その種子で繁殖する被子植物で食用とされることはありません。
食卓にあることが多いコンブ、ワカメ、などの海藻は胞子植物で、これらの海藻はその色から褐藻類とよばれています。
海藻は褐藻類、紅藻類、緑藻類に区別され、紅藻類には寒天の材料として有名なテンブサや刺身のつまで知られるオゴノリ、緑藻類には青のりや”海苔の佃煮”の原料となるヒトエグサなどがあります。
褐藻類 | コンブ、ワカメ、モズク、ヒジキ |
紅藻類 | テングサ、オゴノリ、アサクサノリ、マクサ |
緑藻類 | アオノリ、ヒトエグサ、アミモヨウ |
ガンの代替医療の切り札とされるフコイダン
抗ガン食品と言われるものは数多くありますが、その中でひと際異彩を放っているのが3回に渡り紹介してきた「フコイダン」です。
他の食品とどう違うのか?と言いますと、一言にガン細胞に対して直接的に作用する点です。
他の食品の場合は、その殆どが免疫細胞を活性化することで、ガン細胞への攻撃力を高めるといった流れになり、つまりは”間接的”に作用しているのです。
ところが、フコイダンの場合は、間接的に作用することはもちろん、アポトーシス効果によってガン細胞に直接的に作用します。
近年におけるガン治療には、免疫療法(代替療法)を摂り入れている医療機関も見受けられますので、今後さらなる注目を集める可能性が大いに期待される成分です。