体の機能を支えるアミノ酸!
最近アミノ酸の有効性がさらに注目を集めていますが、これは昨今の食生活の変化の流れの中で、アミノ酸の体内での様々な働きに改めて見直されているからだと思われます。
私たちの体の約60%は水分であることはご存じだと思いますが、約20%がタンパク質でできてることは知っていますか?
このタンパク質の構成成分がアミノ酸なのです。
アミノ酸は肌・髪・内臓・筋肉・血中のヘモグロビンなどに不可欠な成分で、また脳や精神状態にも影響を与えることが知られています。
肌でわかりやすく例えると、肌では常に新陳代謝と呼ばれる『古いものが新しいものに次々と入れ替わるサイクル』が行われていますので、アミノ酸が不足すると新陳代謝が滞り、様々な肌トラブルを招く原因となってしまいます。
そのため食事で不足しがちなアミノ酸をしっかり摂取することで美肌をはじめ、ダイエット・疲労回復などに効果的とされているのです。
アミノ酸は母乳にもいっぱい含まれていて、赤ちゃんの成長を支えていることからもその重要性が分かりますね。
アミノ酸サプリメントの選び方!
今回、アミノ酸について書くことになったきっかけがアミノ酸サプリについての相談でした。
相談者の方はアミノ酸サプリメント(ダブレット状・粒状)をということだったのですが、実はダブレット状・粒状のアミノ酸サプリメントというものがなかなか無くて、代わりにプロテインを摂ってはいかがですか?と伝えると「プロテイン?」となり、アミノ酸・プロテインに加えBCAAなどの違いを説明することになりました。
説明のポイントは下記の2点でした。
・アミノ酸はビタミン・ミネラルに比べ必要量が多い
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を参照してすると、ビタミンやミネラルの目安量・推奨量が「mg(ミリグラム)」や「μg(マイクログラム)」で記載されているのに対して、タンパク質は「g(グラム)」です。
1日の推奨量は成人男性で60g、成人女性で50gとなっています。
そのため、ダブレット状だともの凄く粒量が必要となるため”粉末状”のものが多いのです。
・プロテインはタンパク質、BCAA・HMBはアミノ酸
知っている人からすると当たり前のことでも、知らない人にはビックリです。
下記に違いを分かりやすく紹介しています。
プロテイン、BCAA、HMBの違い
これらの違いを知る前に、私たちの体を形つくる20種類のアミノ酸を知りましょう。
体内で合成できないものが「必須アミノ酸(9種類)」、合成できるものが「非必須アミノ酸(11種類)」と呼ばれています。
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
バリン | アルギニン |
ロイシン | アスパラギン酸 |
イソロイシン | グルタミン |
ヒスチジン | プロリン |
トリプトファン | システイン |
メチオニン | セリン |
フェニルアラニン | アスパラギン |
リジン | アラニン |
スレオニン | チロシン |
グリシン | |
グルタミン酸 |
プロテイン
プロテインとは「タンパク質を意味」しています。
粉末状タイプが多いサプリメントで、主要原材料はでエイ(乳清)やソイ(大豆)などのタンパク質です。
摂取したタンパク質は体内でアミノ酸に分解され、体に必要なタンパク質に再合成されます。
BCAA
BCAA(Branched Chain Amino Acid)とは、バリン・ロイシン・イソロイシンの総称で、枝わかれするような分子構造から「分岐鎖アミノ酸」とも呼ばれています。
アミノ酸の中でも筋肉の保持や増量に重要なのがBCAAです。
また、運動時における筋肉でエネルギー源となるアミノ酸で、筋タンパク質中に非常に多く含まれていることが知られています。
運動前に摂ることで筋タンパク質の分解抑制・修復サポートに働くことが報告されています。
HMB
ここ数年で注目されている成分で、正しくは「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸」です。
HMBはロイシンの体内における代謝産物であり、ロイシンの約5%がHMBに変換されると報告されています。
ロイシン自体が食事から摂取しなければならない必須アミノ酸であるため、効率的に摂取したい場合にはサプリメントの利用が理想でしょう。
HMBは「筋肉の合成促進」「筋肉の分解抑制」のためのシグナルを発信する役割を担っているとされており、アスリートの方やハードなトレーニングをしている方たちに人気です。
サプリメントではHMBカルシウム・HMBCaとして用いられますが、これはHMBをカルシウムと結合して粉末にしたものです。
コラーゲンもアミノ酸が重要!
美容・美肌で人気のコラーゲンもタンパク質の1種でアミノ酸が多数結合したものです。
実は私たちの体をつくっているタンパク質のうち、約30%がコラーゲンとされており、3重螺旋構造によってハリや弾力をつくりだしています。
また3重螺旋構造の際にはビタミンCが不可欠あることも知られています。