イチョウ葉エキスは認知症対策の逸材といわれていますが、これはイチョウ葉エキスが医薬品レベルの効能に期待されながら、重篤な副作用が報告されていないのも特徴です。
イチョウ葉エキスの持つ脳への効能とは?
イチョウ葉エキスには様々な有効性が示されていますが、高齢化が進む現在において、最も注目されているのが認知症に対する働きです。
健康で日常生活を不自由なく送れる「健康寿命」のためには、健全な脳が不可欠です。
血行促進作用
イチョウ葉エキスの優れた血行促進作用はいくつもの働きによって支えられていますが、最も代表的なものが「血管を拡張する作用」です。
脳の組織は縦横無尽の毛細血管によって養われていますが、イチョウ葉エキスには毛細血管を拡げるプロスタサイクリンという物質の合成を促すことが報告されており、これが血行を促進する効能の主軸と考えられています。
また、「血小板の過剰な凝集」を抑制し、血液をよい状態に保つ働きもあります。
血小板の過剰な凝集には、様々な要因が関係していますが、その中の1つPAF(血小板活性化因子)を阻害する作用が知られています。
さらに、血小板の凝集を促すトロンボキサンという生理活性物質の作用も間接的に阻害する働きがあるとされています。
脳細胞を守る
脳に血行不良が生じた際、イチョウ葉エキスは血流改善に働く一方で、脳細胞の保護にも働くことが知られており、あらかじめイチョウ葉エキスを摂取しておくと、極度の酸欠状態におちいっても脳のエネルギー代謝が、ある程度保たれる可能性を示した報告があります。
また、優れた抗酸化効果を有するイチョウ葉エキスは、脳の血行不良に深く関係している動脈硬化の予防にも有効です。さらに、脳梗塞が発生した後にしばしばみられる「虚血後再還流」による細胞死を防ぐうえでも有効だと言われています。
イチョウ葉エキスには、ヒスタミンやブラジキニンなどによって生じる痙攣や、アドレナリンによる血管収縮を抑える作用も報告されています。
脳機能を高める
脳内での情報伝達は、「神経伝達物質」と呼ばれる物質を脳細胞同士が互いにキャッチボールすることで行われます。
特に記憶中枢の「海馬」においてアセチルコリンという神経伝達物質の重要性が知られており、アセチルコリンが減少したり機能低下すると記憶力が低下したり、物忘れや健忘症などを引き起こす原因になってしまいます。
イチョウ葉エキスには、アセチルコリンを増やしたり、脳細胞の中へ取り込みやすくする作用が報告されており、脳機能の向上にも期待されています。
DHAとの相性が抜群
脳の健康を維持する成分で最も有名なものがDHAではないでしょうか?
記憶能力や学習能力に関係していることは多くの臨床試験で報告されています。
稀に「DHA」と「イチョウ葉エキス」ってどっちがいいんでしょう?という相談をされますが、どちらかといえば必須脂肪酸であるDHAになってしまいます。
ですが、DHAとイチョウ葉エキスは同じように認知症の改善に役立ちますが、厳密にはそれぞれメカニズムが異なりますので、同時に摂取することで、より効率的な健脳や認知症予防に役立つと考えられています。