『プエラリア・ミリフィカ』サプリで健康被害?

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プエラリア・ミリフィカとは?

プエラリアとは、タイ北部やミャンマーの山岳地帯などの亜熱帯地域の落葉樹林に自生するマメ科クズ属の植物で、女性ホルモン様作用を持つ植物エストロゲンやイソフラボンが豊富に含まれており、含有量は大豆を遥かに上回るとされています。

植物エストロゲンには、エストロゲンを活性化するゲニステイン、ダイゼインなどの誘導体をはじめ、より強力な活性を持つミロエストロールやデオキシミロエステロールが含まれており、更年期障害の軽減やホルモン置換療法、女性の美肌作用などに効果が期待されています。

増加している健康被害とは?

国民生活センターにより、プエラリア・ミリフィカを原料とするサプリメントを飲み、生理不順や不正出血などの健康被害が出たという相談が約5年間に209件あったと発表され、相談は2015年度以降急増し、昨年度は94件報告されてるとのことです。

プエラリア・ミリフィカの摂取量や目安量については現在のところ明確になっていない成分ですので、過剰摂取にはくれぐれも注意し、また摂取して少しでも違和感や不調があれば摂取を控えたり、摂取量を少なくして様子を見るようにして下さい。

また、サプリメントは主成分が商品名になっていることが殆どですが、原材料欄を見ると他の成分を同時に配合している場合が多く、これもチェックする必要があります。

プエラリアに期待されるバストアップ効果はホント?

女性ホルモン様作用を持つプエラリア・ミリフィカに期待される効果として、最も気になるのが「バストアップ」ではないでしょうか?

プエラリアサプリメントのページを見ると、そのようなイメージを抱いてしまいますよね。

エストロゲンは、乳腺や腺房の発達を支配しているホルモンの1つで、このようなホルモンの影響を受けて女性の乳房は成長していきます。
ですので、植物性エストロゲンが、エストロゲンの受容体に結び付くことによってエストロゲンに似た作用を示し、バストアップ効果が期待できる可能性はあります。

ですが、エストロゲンには骨形成(骨粗鬆症の予防)、自律神経の調整、脂質代謝の促進、女性らしいカラダの形成(美しい髪の毛、肌艶、胸の張りや柔和感)など様々な役割がありますし、作用には個人差がありますので、効果を実感しやすい方もいれば、実感できない方もいるかもしれません。

更年期障害の症状を軽減

体内で分泌されるエストロゲンは、思春期になると増加し、成熟すると安定的し、そして更年期に入ると減少してしまい、この減少が原因で、ほてりやのぼせなどの症状に代表される更年期障害が起こってしまいます。

一般的な更年期障害は、卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌量が減少するために起こりますが、プエラリア・ミリフィカには植物エストロゲンが豊富に含まれていますので、症状の軽減や改善に期待されており、タイでは主に更年期の女性のための民間薬として用いられています。

ただし、20~30歳代で更年期障害の症状が起こる『若年性更年期障害』は、不規則な生活や食生活の乱れ、無理なダイエットや過度のストレスなどによるホルモンバランスの乱れが大きな要因と考えられていますので、一般的な更年期障害のような効果はあまり期待できないかもしれません。

骨粗しょう症の予防

閉経後に女性ホルモンが減少すると骨密度が低くなってしまい「骨粗しょう症」が起こりやすくなることが知られていますが、これは女性ホルモンには骨の新陳代謝バランスを保つ働きや、骨からカルシウムが流出するのを防いでくれる働きがあるためです。

そのため、プエラリア・ミリフィカが持つ植物性エストロゲンには骨粗しょう症の予防に効果が期待されています。

※骨粗しょう症になると、転倒したり体への激しい衝撃で簡単に骨折してしまうリスク高くなり、酷い場合は寝たきりの要因となってしまいますので、予防がなにより大切です。

韓国やEUではプエラリア・ミリフィカの使用が禁止?

韓国やEU(欧州連合)では「プエラリア・ミリフィカ」の使用や販売を禁止しており、原産国であるタイでは1日摂取量を100mg未満と定めています。

厚生労働省が全国で販売されている「プエラリア・ミリフィカ」いわゆるバストアップ(豊胸)サプリ製品67品を調査した結果によれば、生理不順やアレルギーなどの健康被害の報告が過去5年間に223例あったことが分かっています。(2017/8/24)

また、上記の厚生労働省の調査の対象なった業者の半数近くがサプリメントに含まれる成分の正確な量を量らずに販売しているなど製品管理や安全性の確保の面でも十分でないと不安な報告もされています。

これから「プエラリア・ミリフィカ」を摂りたいと思っている方は、いまは摂取することを控えるべきでしょうし、すでに購入して摂取している方は、少なくとも販売会社へ製品管理や安全性の確保について確認しておくべきでしょう。

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