夏にミネラルが不足しやすい訳とは?
汗って少し”ベタベタ”しません?
汗が100%水分だけで出来れいればシャワーを浴びた時と同じような感じになるはずですが、 そうならないのは、汗にはミネラルやビタミンなどが微量に含まれているからなんです。
特に暑い夏場はミネラルやビタミンがどんどん一緒に出て行ってしまいます。
汗とともに失ってしまう水溶性ビタミンには、ビタミンCやビタミンB群などがあります。
ミネラルではナトリウムとカリウムがよく知られています。
ナトリウムは何かと摂取する機会が多いので、意識して摂りたい成分はカリウムになります。
ところで、『汗で失われるミネラル』に鉄分も含まれるのはご存じでしょうか?
鉄分は皮膚や爪・髪などの新陳代謝に使用されるだけでなく、汗や排泄物と一緒に常に体外へに排出されているのです。
夏は特に歩くだけでも多量の汗をかきますし、知らず知らず寝汗でも排出されてもいますので、夏バテなどの症状の原因になってしまいます。
男女問わず貧血を招きやすい夏ですが、特に女性は月経もあるので、日常的に多くの女性が不足気味な鉄分はさらに不足に追い込まれてしまいますので、鉄分を多く含む食品やサプリメントを利用して効率的に補って下さい。
鉄分不足は、世界的に最も多く見られる栄養欠乏症といわれています。
鉄分の効果。
貧血の予防
通常、成人の体内には約4gの鉄分があり、そのうちの約70%は血液中のヘモグロビンにヘム鉄として存在しています。
ヘモグロビンは、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に届ける重要な役割がありますので、不足すると貧血をはじめ、「めまい」や「立ちくらみ」などの不調の原因となります。
免疫機能をサポート
鉄分は免疫機能に関わる白血球の1種である好中球の働きに関係しており、体内の鉄分が不足すると好中球の作用が低下し、免疫力の低下に繋がってしまいます。
美容効果
鉄分は肌細胞にも酸素や栄養素を届けていますので、鉄分不足によって肌細胞の機能が低下すると、肌のターンオーバーが乱れ、肌トラブルのもとになってしまいます。
また、鉄分はコラーゲンの生成にも関与してしますので、不足してしまうと肌のハリが失われ、シワやたるみの原因となってしまいます。
さらに抗酸化酵素の原料にもなっていますので、老化の原因となる活性酸素を抑制・除去し、シミなどの予防や改善にも効果が期待できます。
鉄分を効率よく補うには?
鉄分には、「動物性の食品に含まれるヘム鉄」と「植物性の食品に含まれる非ヘム鉄」に分かれ、ヘム鉄の方が吸収率が高いことが判明しています。
動物性食品では豚レバーや鶏レバーなどに多く含まれ、植物性食品では乾燥あおのり・乾燥ひじき・乾燥きくらげなどに豊富に含まれています。
鉄分の食事摂取基準(mg/日)/日本人の食事摂取基準(2015 年版)より
年齢 | 男性 | |
推奨量 | 耐性上限量 | |
18~29歳 | 7.0 | 50 |
30~49歳 | 7.5 | 55 |
年齢 | 女性 | ||
月経なし 推奨量 | 月経あり 推奨量 | 耐性上限量 | |
18~29歳 | 6.0 | 10.5 | 40 |
30~49歳 | 6.5 | 10.5 | 40 |
サプリメントは過剰摂取に注意!
通常の食事によって鉄分の過剰症を起こすことは殆どないとされていますが、サプリメントなどを用いる際には上記の「耐性上限量」に注意する必要があります。
鉄分の過剰摂取による副作用としては、便秘・吐き気・嘔吐などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。
鉄分サプリメントを選ぶ際のポイントは「鉄分単体のサプリ」ではなく、「マルチビタミン&ミネラル」などでバランスよく摂取することをお勧めします。
鉄分単体は含有量が多く、食事との組み合わせで上限量を超えててしまう場合があります。
また、赤血球の生成には鉄分だけでなく葉酸とビタミンB12も必要で、これらが不足すると正常な赤血球ができず、赤芽球性貧血(悪性貧血)という貧血となってしまう場合があります。