妊娠中に特に重要な栄養素として「葉酸」がありますが、妊婦さんや妊娠を希望される方は既にご存知かと思われますので、今回は葉酸以外の栄養素についてご紹介します。
妊娠期におけるビタミンB12の効果
実は、ビタミンB12は妊娠期においては「葉酸の次に大切」な栄養素で、胎児の脊椎や中枢神経系の成長が促されて、先天性欠損のリスクを減らしてくれるという報告があります。
そのため、妊娠前後にビタミンB12が不足してしまうと、先天的に神経管に欠陥を持った子供ができやすいと言われています。
「造血ビタミン」や「赤いビタミン」ともいわれるビタミンB12は、葉酸とともに赤血球中のヘモグロビンの合成を促し、貧血の一種である巨赤芽球性貧血の予防に役立ちます。
また、血液の健康や神経細胞を正常に保つ効果や、睡眠リズムをコントロールするメラトニンの分泌の調整などの働きもあります。
脳の発育を助けるDHA
体内でもっとも多くDHAが存在しているのが脳で、胎児の健全な脳を発育に欠かせない成分です。赤ちゃんは産まれる前は胎盤から、産まれた後は母乳からDHAを摂取します。
また、アメリカで行われた研究で「早産」や「低体重」のリスク低減になることが明らかとされていますし、さらに、血液の流れをサポートすることで他の栄養素をしっかりと赤ちゃんに届けるためにも重要です。
ですが、魚の中には、水銀が含まれている可能性がありますので、妊婦さんは一部の魚を食べすぎないよう、厚生労働省から注意も出ています。(これからママになるあなたへ)
安心して摂取するためには、サプリメントの利用が良いでしょう。
カルシウム&マグネシウム
骨の生成に欠かせない栄養素で、妊娠中は胎児の骨をつくるために大量のカルシウムが必要となりますが、カルシウムが十分な働きを行うためにはマグネシウムが必須であるため、両者はセットで摂取しましょう。
妊娠中のカルシウム不足は、出産後に骨密度が低下したり歯がもろくなったりするほか、胎児の骨や歯まで弱らせてしまう可能性もありますので注意しましょう。
鉄分で貧血を予防
赤血球に含まれるヘモグロビンをつくる鉄分は、妊娠中には胎児に優先的に送られてしまいで、妊婦さんはより多くの鉄分が必要となります。
妊娠中の貧血のほとんどは、母体の鉄分を胎児に送ることによって生じる鉄欠乏性貧血であり、別名「妊婦貧血」とも言われています。
鉄分というと牛や鶏のレバーをイメージされるかもしれませんが、妊娠中のレバーの摂り過ぎはビタミンAの過剰摂取に繋がり、胎児の奇形を引き起こすリスクが高まりますので注意しましょう。
細胞分裂を促す亜鉛の効果
あまりイメージがないかもしれませんが、実は亜鉛は胎児の細胞分裂に大きく関与しており、不足すると低身長や低体重などの発育不全に繋がる可能性があります。
また、体内にある200種類以上の酵素の成分であり、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調整などさまざまな働きがあります。
鉄分と同様に、亜鉛は胎児に優先的に届けられるので、亜鉛が不足気味な方はしっかり摂取するように心がけましょう。