プラセンタとは胎盤のこと
哺乳動物が妊娠したとき、プラセンタ(胎盤)は胎児を育てるため、子宮の中で重要な生命育成器官として働く部分で、、円盤状の形をしています。
プラセンタは母体と胎児の生命活動を子宮の中でスムーズに進めるように、胎児の栄養や呼吸、あるいは代謝産物の排泄など、あらゆる生命維持機能を保持するための媒介を果たしているのです。
サプリメントや化粧品に用いられるプラセンタとは、豚や馬などの胎盤から抽出したエキスで、正しくは「プラセンタエキス」となります。
プラセンタの役割
プラセンタには、母体の血液から胎児に必要な栄養や生理活性物質を供給したり、蓄えたり、産生したり、胎児の命を保つための生理的役割を果たしており、その役割は大きく5つの項目に分かれています。
呼吸をする
呼吸をする・・・つまり肺のような役割です。
子宮の中で胎児は自分で呼吸をすることが出来ませんので、プラセンタを介して呼吸します。
また、プラセンタは母体の血液から酸素や栄養を受け取り、胎児へと供給します。
物質の代謝を高める
物質の代謝を高める・・・つまり肝臓のような役割です。
プラセンタは胎児の成長に必要なタンパク質やアミノ酸、エネルギー源として重要なブドウ糖を蓄えたり、それをエネルギーに変えたりしています。
老廃物を排出する
老廃物を排出する・・・つまり腎臓のような役割です。
胎児から排出される代謝の老廃物は、プラセンタを通して母体の血液に送られ処理されます。
免疫物質や抗体をつくる
免疫物質や抗体をつくる・・・つまり免疫機能のような役割です。
お腹の中の胎児は自分の体内で抵抗力を持っていませんが、病原菌や毒素に侵されないで生まれることが出来ます。
これは、免疫物質や抗体をプラセンタが母体から受け取るか、もしくは、プラセンタ自らが作るかして胎児に届けられ、胎児を健康に保っているからだと言われています。
いずれにしろ、胎児を護る抵抗力はプラセンタを通して与えられていることになり、プラセンタが免疫機能の役割を担っていることになります。
ホルモンをつくる
ホルモンをつくる・・・つまり脳下垂体や卵巣のような役割です。
プラセンタは妊娠を維持するために欠かかせないホルモンをつくって分泌しています。
例えば、妊娠初期の絨毛性性腺刺激ホルモン、妊娠中期から後期には卵巣ホルモンや黄体ホルモン、また母体の卵巣を刺激して、女性ホルモンの分泌を促進させます。
このようにプラセンタは、胎児の発育や出産児に欠かせないホルモンをつくるだけでなく、母体や胎児のホルモンをコントロールしています。
一般的にはhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)と呼ばれており、子宮内の絨毛組織から分泌されるホルモンで、卵子と精子が受精した後には卵管を移動し、子宮内に着床するタイミングで急激に分泌量が増えますので、妊娠判明のカギになるホルモンです。
多くの動物が自身のプラセンタを食べている事実
プラセンタが胎児の生命を維持し、成長するために欠かせない器官であることから、様々な効果・効能に期待されることがよく判ると思います。
自然界では、プラセンタの恩恵を受けるために、多くの動物が出産後、自身の胎盤を食べる行為が見受けられます。
これは、外敵に出産を知られないようにすることと、授乳に必要なホルモンの分泌を促進するための成分をプラセンタから摂取するためです。
食べることで様々な生理作用をもたらすプラセンタを自らの体内に取り込む行為は、馬や牛・羊といった草食動物だけでなく、ライオンやヒョウといった肉食動物にも見られます。
一般的なプラセンタとは?
覚えていてほしいことに、プラセンタ(胎盤)は器官であり成分ではなく、そこから抽出されたエキスが「プラセンタ」と呼ばれているという事実です。
また、近年では「植物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」といったものがあります。
プラセンタの本来の役割と意味を考えれば、植物や魚などには存在しませんが、植物には胎座、魚には卵巣膜といった似たようなものがあります。
プラセンタのように豊富な栄養素が含まれているため、同様に捉えられていますが、胎盤が持つ大きな特徴である「成長因子」は含まれていません。
原材料を見れば由来は分かりますので、名称に惑わされずサプリメントを選びましょう。