冷え性が『冷え症』でない理由!
突然わかりにくいことを書いてしまいましたが、冷え性を「冷え症」と書かないには、冷え性そのものが病気ではなく状態を表しているためです。
女性に多くみられる手足が冷える「末端冷え性」をはじめ、冷えの自覚症状はなく深部体温が低い「隠れ冷え性」と呼ばれる冷えを抱えている人が増加し続けています。
特に、近年では男性からの相談も急増しており、”たかが冷え性”とお考えの方はぜひこの機会に、冷え性に対する”こわさ”を知って頂きたいと思います。
冷え症によって起こる症状とは?
冷え性とは、単に体や手足などの部分が慢性的に冷えるだけでなく、そのままで放置しておくと、免疫力が下がったり、代謝が悪くなったりします。
冷えが原因となって肩こりや腰痛、不眠・足のむくみなど、様々なトラブルを引き起こす原因となりますし、病気の要因にもなってしまうことから、「冷えはあらゆる万病のサイン」とも考えられています。
注意すべきは、冷え性によって招かれる症状にあります。
免疫力の低下
体温が1度下がると免疫力は約30%も低下してしまいます。
体が冷えると風邪を引きやすくなったりするのは、免疫力の低下によって細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まってしまうためです。
内臓機能の低下
私たちの体の機能を正常に保つために必要なものに「酵素」がありますが、体内で酵素が効率よく働いてくれる体温は37度が最適だと言われています。
深部体温が1度下がると基礎代謝は約12%~15%も低下してしまいます。
その他の症状
上記の他にも、不妊症や生理不順、生理痛などになりやすくなったり、疲労、肌トラブル、便秘・下痢、肩こり・腰痛、目の疲れ、頭痛などの症状の原因にもなってしまいます。
また、自律神経失調症やアレルギー性疾患の原因にもなってしまいます。
冷え性改善の対策法は?
冷え性の改善のためには、ちょっとした習慣をコツコツと積み重ねていくことが大切です。
運動
冷え性の大きな要因に、デスクワークが増えて運動が不足していることが関係しています。
運動というと少し大変なイメージを持たれるかもしれませんのでが、ストレッチやウォーキングなど少しのことでも「身体を動かす」ことが大切です。
体を温めてくれるツボというものがありますが、そこまで出来なくても、冷えてる部分のセルフマッサージするだけでも全然違いますし、足指における冷えには、指先をグーパーするだけでもポカポカしてきます。
身体を動かすことは基礎代謝を高めるだけでなく、血液のめぐりも良くなりますので、冷え性対策には欠かせません。
入浴
なにかと忙しい現在では、私を含め手軽にシャワーだけで入浴を済ます人が増えています。
ですが、シャワーだけでは体の芯まで温まりません。
また、熱いお湯で急激に温まっても、体の表面だけが温まった状態ですので、これも身体の芯まで温まったわけではありません。
理想は、40度以下のゆるめのお湯でじっくりと温まる入浴法で、様々な場面で有効な「半身浴」はもちろん冷え性にも効果的です。
食事
体を温めるためには、陽性の食品を摂ることが大切です。
地中で育つもの・寒い国の産物・冬に旬を迎える食材には、体を温めてくれる性質がありますので、太陽の恵みから「陽性の食品」と呼ばれています。
中でも冷え性対策に圧倒的な働きを持つ食材が「生姜(ショウガ)」です。
ショウガには様々な薬効が確認されていますが、ショウガが直接体を温める訳ではなく、抹消血管を拡張することによって、血液が流れ難い足先や指先の血液を循環させるのです。
水分補給への誤解
冷え症に悩まされる方の多くが誤解されている水分補給、「体が冷えるから」「むくむから」「喉が乾かない」などから、水分量を控える方がいらっしゃいますが、これは逆効果です。
水には冷たいイメージがあるため、身体を冷やしてしまいそうですが、身体の60%、血液においては約90%が水分によって維持されています。
もちろん、冷たい水を飲むのはカラダを冷やすので、常温以上の水を飲むようにして下さい。
また、飲み方にもポイントがあり、一度に大量を摂る必要はなく、「起床時」「入浴前」「入浴後」「就寝前」などこまめに水を飲む習慣が大切なのです。
「冷え性」と「低体温」の違いとは?
冷え性と似た言葉に「低体温」がありますが、「冷え性」は末端に起こり、「低体温」は中枢に起こるものであり、体の中枢の深部体温の温度が低くなることを指しています。
”内蔵型冷え性”や”隠れ冷え性”などは本来「低体温」に該当するのでしょうね。