プレバイオティクスとは?
プレバイオティクス(prebiotics)とは、簡単に説明しますと「有用な腸内細菌を増殖させる物質」のことになります。
難しい言葉では「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分」と定義されています。
●上部消化管(食道、胃、十二指腸)で分解・吸収されない。
●有益な腸内細菌の増殖を促進する。
●腸内フローラの健康に寄与する。
●人の健康の増進維持に役立つ。
現在は、オリゴ糖や食物繊維がプレバイオティクスとして認められています。
一方、プロバイオティクスは「適正な量を摂取した時に、宿主に有益な生理作用をもたらす微生物」で乳酸菌やビフィズス菌が該当します。
プレバイオティクス=物質
シンバイオティクスって何?
プレバイオティクスとプロバイオティクスに関して調べていると、その先に『シンバイオティクス(Synbiotics)』という名称が出てきます。
この名称は、サプリメントや健康食品関連ではあまり出てくることがないと思いますので、”覚えていた方が良い”という訳ではありませんが、シンバイオティクスを加えた”3つのティクス”が1セットと考えていた方が覚えやすいかもしれません。
シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせによる相乗効果によって、人の健康の増進に役立てようとするものです。
つまり、『プロバイオティクスとプレバイオティクスが配合されている健康食品は、シンバイオティクスと呼ばれる』ということになります。
ビフィズス菌と乳酸菌の違いって?
いまいち分かり難いということですので、ここで改めて違いを見てみましょう。
私たちヒトの腸内のビフィズス菌数は約1~10兆と言われていますが、乳酸菌はその1/100~1/10,000以下でヒト腸内の善玉菌ではビフィズス菌が多く占めています。
また、乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出す菌ですが、ビフィズス菌は乳酸以外にも酢酸を作り出すという違いがあります。
乳酸や酢酸といった有機酸は、悪玉菌の増殖を防いで腸内細菌環境を整える作用がありますが、特にビフィズス菌が生成する酢酸には強い殺菌力や腸の粘膜を保護する作用があり、大腸菌おO-157の感染予防効果もあることが知られています。
大腸での働きを期待するのであれば、大腸で酢酸を生成するビフィズス菌を増やすことが効果的だと考えられています。