グルタチオンはアミノ酸の1種！

グルタチオンとは、私たちの体の中に存在している成分で、自然界にも広く分布しており、動物をはじめ植物や微生物などにも含まれているアミノ酸です。

グルタチオンはアミノ酸が3つ結合したトリペプチドの1つで、、グルタミン酸・システイン・グリシンで構成されています。

グルタチオンは私たちの体内で絶えず生成されていますが、その多くは肝臓で作られ、肝臓内で生理作用を発揮すると同時に、肝臓から血液や胆汁の中に分泌されて全身を巡っています。

あまり聞きなれない成分名と思われる方も多いと思いますが、グルタチオンは白内障の治療薬として点眼薬に使用されていたり、パーキンソン病の患者に対するグルタチオンの点滴によるグルタチオン療法というものがあるほどの効果を持っています。

海外ではサプリメントとして人気ですが、日本においては医薬品扱いになっています。

グルタチオンの抗酸化効果とは？

グルタチオンの健康効果を支えている最も重要な作用が「抗酸化作用」です。

グルタチオンの抗酸化力は、活性酸素を捕まえて無毒化する作用と、活性酸素により生成された過酸化脂質を取り去る働きがあります。

「還元型」と「酸化型」のグルタチオンの違い

グルタチオンは自ら活性酸素に酸化されることで抗酸化作用を発揮します。
この時、通常の「還元型グルタチオン」と呼ばれる状態から「酸化型グルタチオン」に変化しますが、すぐに酵素の働きで還元型に戻り、再び抗酸化作用を発揮します。

そのため、健康な人では還元型グルタチオンの濃度は常に一定に保たれています。

デトックス作用に対しての優れた効能

現代の生活環境の中では、有害物質が体内に取り込まれる機会が増えています。
食品中や空気中の汚染物質をはじめ、医薬品、アルコール、タバコはその代表です。

グルタチオンは有害物質を見つけると、自ら抱え込んで毒性を中和し、体外へ押し出します。
体の中では肝臓が解毒を行う中枢として知られていますが、グルタチオンはここに多く存在し、グルタチオンS-トランスフェラーゼという酵素の力を借りて活躍しています。

また、グルタチオンはお酒を飲んだときに生じる有害物質（アセトアルデヒド）を解毒する働きもありますので、二日酔いや悪酔いの防止にも役立ちます。

さらにグルタチオンは、水銀やカドミウム、ヒ素、鉛といった有害物質の解毒にも役立つといわれているほど、優れたデトックス作用を持っているのです。

グルタチオンが不足する原因とは？

加齢
体内のグルタチオンの量は加齢とともに減少しますが、これは合成力が衰えるとともに、消費が増すためと考えられています。

偏食・ダイエット
グルタチオンは肉や魚、野菜・果物など一般の食品に広く含まれていますので、若い方が1日3食バランスの良い食生活を送っていれば不足することはないと考えられています。
ですが、偏食の方、あるいは極端なダイエットを行っているような方は、グルタチオンやその原料であるグルタミン酸・システイン・グリシンが十分に補給できておらず不足している可能性があります。

薬の常用
医薬品の多くは、体にとって不要な有害な物質です。
そのため、医薬品を服用するたびに、肝臓では解毒作用の強いグルタチオンが消耗されます。
慢性的な疾患で薬を服用している方はグルタチオンが不足しやすくなってしまいます。

アルコール（飲酒）
お酒を飲むと、アルコールの代謝過程でアセトアルデヒトという有害物質が生み出され、この解毒作用にもグルタチオンが活躍します。
そのため、お酒の飲み過ぎもグルタチオンを減らす原因となってしまいます。

喫煙
タバコの煙（副流煙を含む）には、ベンツピレンなどの発がん性物質が含まれていますが、グルタチオンはこの毒消しにも働くことから、喫煙もグルタチオンの消費が激しくなります。

グルタチオンが多く含れる食品は？

グルタチオンは動物性食品に多く含まれており、特に牛・豚・鶏のレバーは豊富で、スネ肉やヒレ肉も良い補給源になります。

魚介類ではウナギの肝や牡蠣のほかサンマやアジなどの青魚、野菜類ではアスパラガス・ほうれん草・カボチャ・トマト、果物ではアボガドやオレンジなどに比較的多く含まれています。

ですが、一般の食品から十分な量のグルタチオンを毎日継続して摂取しようとすると、偏った食生活になりがちですので、効率よく継続的に摂取するためにはサプリメントを利用するとよいでしょう。