ヒアルロン酸注射とは?
ヒアルロン酸注射とは、その名のとおり化粧品やサプリメント成分として人気の高い保湿力・弾力性を持つヒアルロン酸を膝や顔などに直接注射する方法です。
ヒアルロン酸はもともと私たちの体内にも存在する成分で、細胞と細胞の間を繋げる細胞外マトリックスとして、皮膚、軟骨、腱、血管、心臓弁、目、脳などに広く分布しています。
現在、ヒアルロン酸注射を用いる目的としては「美容」と「関節」の2つがありますが、これらは用いられ方については大きく異なりますので、まずは違いを知りましょう。
「膝」におけるヒアルロン酸注射
膝のおけるヒアルロン酸注射は、主に変形性膝関節症による痛みの改善に用いられますが、腰痛などの関節痛においても有効です。
ヒアルロン酸は、関節の内部を満たしている関節液の主成分であり、関節液内のヒアルロン酸が減ると、骨と骨がこすれ合って炎症を起こして膝が痛みますが、関節内にヒアルロン酸を注射することで、関節液内のヒアルロン酸と同様に働き、痛みの緩和に役立ちます。
比較的長期間の効果が期待できるヒアルロン酸注射があるようですが、注射されたヒアルロン酸は消費・吸収されていきますので、定期的に注入してヒアルロン酸の量を体内に維持することが大切です。
現在、変形性膝関節症などに対して週1回の頻度の注射は保険適用となるようです。
また、ヒアルロン酸注射に使われる『ヒアルロン酸』の種類はクリニックや病院によって異なりますので、副作用などが心配な場合は事前に確認する方がよいでしょう。
「顔」におけるヒアルロン酸注射
顔におけるヒアルロン酸注射は、目の周り、口元、ほうれい線、顎(あご)、首などの美容、つまり見た目の改善に用いられます。
顔のヒアルロン酸注射の効果は主にシワの改善で、気になる部分にヒアルロン酸を注入することで、シワを隆起させて改善できますが、膝と同様に注入したヒアルロン酸は消費・吸収されていきますので、定期的に注入してヒアルロン酸の量を体内に維持することが大切です。
膝への注入が治療を目的にしているのと違い、顔への注入は治療ではありませんので、保険適用外になり、費用はクリニックにより大きく異なります。
ですが美容クリニックでは数種類のヒアルロン酸を取り扱っている場合が多く、目的・部位に応じてヒアルロン酸の種類を選ぶことが出来るようです。
現在、美容目的のヒアルロン酸注射は比較的安全にそして安易に行えるようになっていますが、皮膚への注射自体は厚生労働省では認められておらず、あくまで、医師が責任を持って行っている行為になりますので、クリニック選びは慎重に行いましょう。
ヒアルロン酸注射の副作用やリスクは?
国立健康・栄養研究所のヒアルロン酸情報では、注射製剤の副作用として、アレルギー、発赤、激しい痛みが起こる、また関節内注射の副作用として、関節痛、関節の凝り、出血、腫れ、などを生じる可能性があるとされています。
一般的なリスクとしては内出血、腫れ、浮腫みなどがありますが、「異物肉芽腫症」というは皮膚のしこりもあり、完治するのは難しく、切除しか方法がないとされています。
また、重篤なものではアレルギー反応を起こすことがあります。
極めて稀にの可能性のようですが、ヒアルロン酸注射のヒアルロン酸は、人工的に造っているものですので、アレルギー反応が出るリスクは残ってしまいます。