EGFとは?
EGF(Epidermal Growth Factor)とは、アメリカの生化学者スタンリー・コーエン博士が1962年に発見したタンパク質で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した成分です。
もともとは重度の火傷など皮膚再生医療や角膜切開による傷の回復促進に用いられていたもので、発見当時は1gあたり8,000万円もする高価な成分であり、とても化粧品で使用できるものではありませんでした。
私がこの成分を知った頃は、一般にまだまだ名が通っていませんでしが、いまでは化粧水・美容液・クリームといった基礎化粧品だけでなく、マスク・パックなどにも配合されている注目の美容成分です。
単体の成分でのサプリメントは見受けられませんが、皆さんがよく知っているプラセンタの美容効果の主力とされているのがこの成分なのです。
化粧品に成分が配合される際は、『h-EGF(ヒトオリゴペプチド-1)』と記載されます。
hEGFにつきましては、厚生労働省の平成27年12月28日付通知(薬生発1228第4号)「医薬品の範囲に関する基準の一部改正について」において、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に追加されています。
ですが、これは経口摂取に限定されるようで、化粧品への配合については、『医薬品を連想ないし誤認させる効果効能を標榜しない限り』使用ができるようです。
医薬品として使用される原材料とされたことで、安易に使用できる成分ではなくなりましたが、一方でEGFの効果の裏付けになったとも考えられます。
EGFの効果
EGFは私たちの唾液や母乳などにも多く含まれいる成分で、「上皮成長因子」と呼ばれることからも分かるように、肌の表面部での成長因子を指しており、肌トラブルの解消に対して高いに期待が寄せられています。
EGFはこれまでの美容成分と異なり、「肌に栄養を与える」のではなく「肌を再生する」ことを目的としていますので、根本的に働き方が異なります。
EGFを効率的に補うには?
EGFを効率よく補うには、内側からの補給ではなく肌の表面に直接補うことが効果的です。
これは、私たち身体にはEGFを受け取る為のEGFR(Epidermal Growth Factor Receptor)といい上皮成長因子受容体が存在していて、肌においては表面の『角質層』に受容体が存在していますので、化粧品で必要としている肌にダイレクトに補給することが効果的なのです。
脚光を浴びているEGFが、近年基礎化粧品によく用いられているものを見かけますが、「どれだけ?という記載はなく、単にEGFを配合している」といった化粧品も見かけますので、化粧品を選ぶ際には注意して下さい。
逆に、肌で存在出来るEGFの量は受容体の量に比例しますので、EGFを過剰に塗り過ぎによる副作用などのリスクはないとされています。