若さと美容を守るビタミンEの抗酸化効果

ビタミンEの強力な抗酸化作用は古くから知られています。

現代はアスタキサンチやレスベラトロールなどの成分に目が移りがちですが、必須栄養素であるビタミンの中においてビタミンEの存在は大きなものです。

過剰な活性酸素は、身体の老化を促進し、様々な病気の原因になることが知られていますが、美容面では「シワ」や「シミ」などの肌トラブルの原因になってしまいます。

活性酸素の酸化反応を説明する際に、よく「切ったリンゴを置いておくと茶色に変色する」といった感じのものがありますが、この反応が肌で起こると考えてもらえれば、活性酸素と美容の関係が判りやすいのではないでしょうか。

脂溶性の性質を持つビタミンEは、細胞膜を覆う不飽和脂肪酸の過酸化脂質へと変化を抑制し、細胞膜の酸化による老化を守ります。

天然と合成に大きな違いがあるビタミンE！

数多くある栄養素の中で、ビタミンEほど「天然」と「合成」によって体への働きに違いがあるものは、現在のところありません。

天然とはいわゆる自然界の食品から抽出された成分で、合成とは人の技術によって作り出された化学合成物質であり、基本的に同じ構造をしています。

ビタミンEには天然型のビタミンE「d-α-トコフェロール」と合成型のビタミンE「dl-α-トコフェロール」があり天然と合成で構造が異なります。

天然のビタミンEは体内への吸収力が高く、また合成のビタミンEに比べて、体内での効能が2倍ほど高くなりますので、サプリメントなどを購入される場合は注意して下さい。

ビタミンEの効果や効能

活性酸素を除去してシミ・シワなどの予防する美肌効果や、女性ホルモンの分泌を助けることで更年期障害の症状の予防・改善などの働きが知られていますが、特に現代において大切な働きにスポットを当てて紹介したいと思います。

不妊対策、妊活をサポート

ビタミンEの別名「トコフェロール」は、出産を意味する言葉でもあります。
副腎や卵巣などに高濃度で含まれいるビタミンEは、男性ホルモンや女性ホルモンなどの代謝にも深く関わっていますので、不妊対策に効果が期待されています。

血液の流れを良くする

ビタミンEは悪玉コレステロールの酸化を抑制したり、血小板の粘着を防ぐことから、血行を良くする働きもあります。
この働きにより、肩こりや冷え性などの血行不良による症状の緩和や生活習慣病の予防、さらに上記に記載している妊活においても大切な栄養素とされています。

ビタミンEを多く含む食品は？

ビタミンEは”アーモンド”や”ヘーゼルナッツ”などの豆類、”ひまわり油”や”綿実油”などの植物油に豊富に含まれていることが知られていますが、最も多く含む食材として『せん茶』があり、他にも『唐辛子(とうがらし)』や『抹茶』などにも多く含まれていますので、日々の食生活の中に上手に摂り入れて下さい。

欠乏症や過剰症について

一般的にビタミンEは不足し難いと考えられていますが、不足すると欠乏症として、神経や筋障害の症状がみられることがあります。

過剰症についても一般的な食生活で過剰摂取することは殆ど考えられませんが、サプリメントで積極的に摂取している方は過剰摂取に注意しましょう。
過剰症としては、近年では「骨粗しょう症のリスクが高まる」との研究データがあります。